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2017年7月3日

カナレ電気 独自戦略で業績が躍進


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営業利益率16%台
独・イグス売上高1.3兆円目指す

日本とドイツに、際立つ電線メーカーがある。カナレ電気と独・イグスの2社で、カナレ電気は売上高は100億円台だが、16暦年、17暦年通期見通しとも売上高営業利益率16%台で推移し、電線業界では極めて利益率が高い。一方、独・イグス(暦年、連結)はこの間、売上高がほぼ毎年、前年度比2~3割増と右肩上がりに拡大している。ここ数年間で売上高1兆3千億円(1ユーロ130円換算)を狙う。双方とも得意品種が違い、経営スタイル、事業規模もまるで別だが、独自の事業戦略で発展を遂げていることでは一致した。


トップインタビュー 沖電線 来住晶介社長

17FY目標 売上高120億円(7%増)
FAケーブル等に注力

沖電線の来住晶介社長は「16FY業績が売上高111.7億円(前年度比0.5%減収)、営業利益7.6億円(同20.6%増)と微減収も大幅増益になる中で、17FYの事業計画は、さらにFA市場向け電線やWHを伸ばし、売上高120億円を目指す。営業利益率は、5%(営業利益6億円)を計画する」とした上で、下期の課題を「第1はFAケーブルの増強で、設計・生産能力の増強を加速し、第2番目はメタルケーブル、光ケーブル、FPCが持つ強みでシナジー効果を発揮する。第3番目はスマート工場化に取組む。第4は、他社との連携を拡大する」とした。


LS電線 16暦年通期の業績は鈍化

16%減収、営業益38%減
情通は増収も電力等が減少

LS電線の16暦年(1~12月)通期業績は、売上高が連結3千56.1億円(前年比11.4%減)で減収、単体でも2千464.6億円(同16.7%減)と1割台の減収を計上した。営業利益は連結80.8億円(同25.5%減)、単体61.1億円(同38.0%減)と大幅に落ち込んだ。
背景には、売上面では、通信ケーブル等の情通事業が健闘したものの、電力ケーブル等の電力事業をはじめ3事業分野が鈍化したほか、銅価の下落なども響いた。
一方、営業利益では、コスト削減や経費削減策などを実施したが、二桁減収が尾を引いて大幅な減益になった。
連結売上高の81%を占める単体売上高の4事業部門別内訳(韓国国内のみ)は、電力事業985.9億円(同23.1%減)、情報通信事業207.0億円(同5.0%増)、機器電線・産業電線事業325.3億円(同17.5%減)、素材事業946.4億円(同12.7%減)になった。
主力の電力ケーブル事業が鈍化したことなどが左右した他、巻線や平角線、アルミロッド等を含む素材事業も低調だった。機器電線・産業電線事業は自動車用電線と舶用、海洋、産業用機器向けケーブル類等であり、自動車向けなどが比較的に健闘した模様。情通事業は、通信ケーブル案件が牽引し、唯一、前年を上回った。


イグス 17CY上半期売上高は前年同期比40%増

投資で加工能力3倍
電線に注力、シェアUP狙う

FA/ロボットケーブルメーカー・イグス日本法人の業績は好調に伸びており、17CY売上高目標は前年比20~30%増を目標に掲げ、活発な事業展開を繰り広げている。主な事業分野は電線、ケーブル保護管、ベアリングの3分野であり、軒並み好調に推移。とりわけ電線は伸長しており、売上高同50%増を狙う。
現在の売上高比率は、ケーブル保護管5に対し電線が1。また、電線はベアリングの売上よりも少し高い状態。電線が伸びる背景には、産業全体の成長とシェアの拡大があり、電線の売上高は今後10年間で現在のケーブル保護管の3倍に引き上げていく方針。


住友電工 JPS社長に大澤氏 小泉氏は技師長

EV車用クラッド材に注力

住友電工は6月29日付けで、ジェイ・パワーシステムズ(JPS)の新社長に同社取締役の大澤友樹氏が就いたと発表した。これにともない小泉芳信社長はJPSの技師長に着任した。
【略歴】大澤友樹(おおさわ ともき)氏=1960年6月1日生まれ。87年に京都大学大学院工学研究科を卒業。同年住友電工に入社し、09年4月JPS電力事業部大阪ケーブル部長、15年大阪事業所長兼電力事業部大阪ケーブル長、同年大阪事業所長兼JQCプロジェクト推進室次長、16年取締役兼JQCプロジェクト推進室次長、17年取締役兼JQCプロジェクト推進室次長兼日高ケーブル部長兼日高事業所長を経て、同年6月社長に就任。




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